
「かわいい」も「こわい」も全部“やばい”になっていませんか?
最近のこどもたちの会話
「かわいい」=やばい
「こわい」=やばい
「上手!」=やばい
「まずい」=やばい
「おいしい!」=やばい
気づけば、いろんな感情や状況が、全部「やばい」で表現されていませんか?
これは子どもだけの話ではありません。
ママさんパパさんも、つい「やばい」で済ませてしまうこと、ありますよね。
便利な言葉ですし、大人は意味を分かって使い分けていると思います。
でも、子どもはどうでしょうか。
子どもは「なんとなく」、そのまま覚えていく
大人は文脈や経験から、
「これは嬉しい意味のやばい」
「これは困ったやばい」
と理解できます。
でも、子どもは違います。
日常で聞いている言葉を、そのまま吸収していきます。
もし幼い頃から、
どんな感情も「やばい」で表現されていたら――
その子の中では、
いろんな気持ちが、全部「やばい」に集約されてしまうかもしれません。
感情の言葉が少ないと、理解にも影響する?
感情や状況を表す言葉が少ない状態で、
・本を読む
・授業を受ける
・教科書を読む
文章の中には、
「悔しい」
「安心した」
「戸惑った」
「誇らしい」
「不安だった」
など、細かな感情や状況を表す言葉がたくさん出てきます。
もしそれらがすべて「やばい」という感覚でしか捉えられなかったら、
内容の理解や、登場人物の気持ちを想像する力にも影響が出てしまうかもしれません。
語彙力は、国語だけの問題ではなく、
理解力そのものを支える土台でもあります。
小さい頃からできることは、「感情の代弁」
では、どうすればいいのでしょうか。
特別な教材やトレーニングではありません。
しっかり話し始める前からできることがあります。
それが、
感情や状況を、大人が言葉にしてあげること。
日常の中にある、語彙を育てるチャンス
例えば遊び場で。
お兄ちゃんが上手に電車をつなげているのを、
自分の子どもがじっと見ていたら。
「すごいね。」
「かっこいいなって思ったのかな。」
「自分もやってみたいって思ってるのかな。」
こうした言葉を聞くことで、
子どもは自分の中の感情に名前があることを知っていきます。
怒ったときも、語彙を育てるチャンス
挑戦してみたけれど上手くいかず、怒ってしまった。
そんなときも、
「なんで怒るの?」ではなく、
「できなくて悔しかったね。」
「思った通りにならなくてイライラしたんだね。」
行動ではなく、気持ちを言葉にしてあげる。
それが、感情の語彙を増やす関わりになります。
今日からできる、小さな一歩
もしよければ、今日からひとつだけ。
子どもが「やばい」と言ったとき、
否定するのではなく、
「やばいって、どんな感じ?楽しいやばい?びっくりしたやばい?」
と、聞き返してみてください。
それだけで、
子どもは自分の気持ちを探し始めます。
そして大人も、
「あ、今は“嬉しい”かな」
「これは“困った”だな」
と、言葉を選ぶようになります。
小中学生になったとき、
感情を言葉にできる子になるかどうかは、
特別な勉強ではなく、
日常の何気ない会話の積み重ねから。
ほんの少し、言葉を増やしてみる。
そこから、子どもの世界がゆっくり広がっていきます。
あり先生

