子供の体内時計と起きる時間

睡眠時間が足りていても、なぜかお子さんがグズりやすかったり、食が進まなかったりすることはありませんか?

実は、睡眠の「長さ」と同じくらい、あるいはそれ以上に大切なのが「朝日によるリセット」です。

なぜ「朝日」が子どもの心と体にとって最強のスイッチなのか、そのメカニズムと、起きる時間が遅くなることのリスクを詳しく解説しますね。


結論:朝日を浴びることは、脳の「予約スイッチ」を押すこと

朝、光を浴びることは、単に目を覚ますためだけではありません。実は、「その日の夜、スムーズに眠りにつくための予約ボタン」をポチッと押す作業なんです。


1. 朝日で体内時計がリセットされる仕組み

人間(特に子ども)の体内時計は放っておくと約25時間周期で、毎日1時間ずつ後ろにズレようとすると言われています。
これを地球の24時間リズムに合わせるための方法が、「目に朝日の光を入れること」です。

  1. 目から脳へ信号が届く: 朝日が目に入ると、脳の中の時計の親分に信号が届きます。
  2. セロトニン(幸せホルモン)が分泌: 光の刺激で「セロトニン」がドバッと出ます。これが日中のやる気や元気の源になります。
  3. 14〜16時間後の「予約」: 朝浴びたセロトニンは、夜になると眠りのホルモン「メラトニン」に形を変えます。朝6時にリセットすれば、夜20時頃に自然と眠くなる……という「予約タイマー」がセットされるのです。

2. リセットすることで得られる「3つのメリット」

朝のリセットがうまくいっている子は、生活の質がガラリと変わります。

  • 「食べる力」が育つ: 朝日で脳が目覚めると、自律神経が整い、胃腸も活発に動き出します。朝からしっかりお腹が空く子になります。
  • 情緒が安定する: セロトニン(幸せホルモン)がしっかり出ていると、感情のコントロールがしやすくなり、無駄なグズりや癇癪が減ります。
  • 「深い眠り」が手に入る: メラトニンの予約がしっかりできているので、夜の眠りが深くなり、成長ホルモンもしっかり分泌されます。

3. 起きる時間が遅い(10時起きなど)ことのデメリット

「寝るのが遅いから、朝はゆっくり寝かせてあげよう」……。 その優しさが、実はお子さんの成長の足を引っ張ってしまうことがあります。

  • 「時差ボケ」状態が続く: 毎日1時間ずつズレようとする時計をリセットしないままだと、体の中は常に「海外旅行中の時差ボケ」のようなダルさを感じたまま過ごすことになります。
  • やる気が起きない: 日中に必要な「セロトニン」が不足するため、遊びに対して意欲的になれず、ぼーっとしたり、すぐに疲れたりしてしまいます。
  • 夜の「寝付けない地獄」: 朝のリセットが遅いと、夜になっても眠りのホルモンが分泌されません。親が「寝なさい!」と怒っても、体の仕組みとして「眠れない」状態になってしまうのです。

スマホの充電と時計合わせ

子どもの体はスマホと同じです。
夜の睡眠は「充電」ですが、朝日は「時刻合わせ」です。
どれだけ充電(睡眠時間)が100%でも、時刻がズレているスマホは、必要な通知(お腹が空いた!眠い!)を正しいタイミングで出してくれません。

「たっぷり充電」+「朝日の時刻合わせ」が揃って初めて、子どもは100%のパフォーマンスを発揮できるんです。


まずは「カーテン1枚」から

「明日から急に早起きさせるなんて無理!」というママ、大丈夫です。

  • ステップ1: お子さんが寝ていても、まずは親が起きたタイミングでカーテンを開け、部屋を明るくする。
  • ステップ2: 10分づつ「おはよー!」と声をかける時間を早めていく。
  • ステップ3: 朝ごはんを、なるべく明るい窓際で食べる。

これだけで、お子さんの体内時計は少しずつ前へ動き出します。


夜、早く寝てくれるようになれば、ママの自分時間も確保できて、心にゆとりが生まれます。
お子さんの元気のため、そしてママの笑顔のために、まずは明日の朝「太陽の力」を借りてみませんか?

あり先生