
3月になると、次の学年が少しずつ近づいてきます。
大人にとっては「もうすぐ○年生だね」「楽しみだね」という前向きな時期ですが、子どもたちにとっては、実は心の中が少し揺れやすいタイミングでもあります。
特に変化が出やすいのは、4歳以上の子どもたち。
年中さん、年長さん、そして小学校入学を控える子どもたちは、「もうすぐお兄さん・お姉さんになる」という期待と同時に、目に見えないプレッシャーを感じていることがあります。
■ プレッシャーの正体って?
園では進級に向けた準備が始まることも多く、
・「年長さんになったら〇〇するんだよ」
・「小学生になったら通学団で歩いていくんだって」
・「勉強が始まるらしいよ」
など、先生やお友達、親戚、大人からたくさんの情報が入ってきます。
これは決して悪いことではありません。
むしろ成長へのワクワクにつながる大切な刺激です。
ただし、子どもにとっては、
「できるかな?」
「変わるってどういうこと?」
「先生やお友達はどうなるの?」
という見えない不安が同時に生まれることがあります。
さらに、
・担任の先生が変わるかもしれない
・クラス替えがある
・新しい環境になる
こうした変化は、大人が思っている以上に子どもにとって大きな出来事なんです。
■ こんな変化、ありませんか?
この時期になると、まるで赤ちゃん返りのような姿が見られることがあります。
・今までできていたことを「やって」と言う
・急に甘えが増える
・些細なことでイライラする
・園では楽しそうなのに家で崩れる
一見すると「わがまま」や「退行」に見えるかもしれません。
でも実は、
「がんばろうとしているからこそ、心の余裕が少し減っている」
というサインでもあります。
毎日元気に園で過ごしているように見えても、心の中では小さなプレッシャーと向き合っていることもあるんですね。
■ そんな時、親ができること
では、変化が見られたとき、どんな関わりがいいのでしょうか。
ポイントは2つです。
① 甘えは受け止める。でも全部は代わりにやらない
甘えが出てきたら、
「甘えちゃダメ」と止める必要はありません。
むしろ、
「不安なんだね」
「ちょっと頼りたい気分なんだね」
と受け止めてあげることが安心につながります。
ただし、全部やってしまう必要はありません。
例えば、
・最初だけ一緒にやる
・途中まで手伝う
・「ここまでは自分でできるかな?」と声をかける
など、「できる力」はちゃんと残してあげることが大切です。
② 未来を楽しみにできるポジティブ情報を
不安が強くなりすぎないように、「楽しみ」を一緒に増やしていくのもおすすめです。
例えば、
・進級したら遠くまで遠足に行けるみたいだよ
・年長さんになると小さい子のお手伝いができるんだって
・小学校には大きな図書室があって、本がたくさん借りられるらしいよ
・体育館が広くていろんな遊びができるみたい
・給食のメニューが増えるんだって
・新しいお友達がたくさんできるよ
ポイントは、「できるかな?」という不安を「楽しみかも」に変えていくこと。
無理に励ます必要はありません。
ただ未来にワクワクできる材料を少しずつ増やしてあげるだけで十分です。
■ ちょっと不安=ちゃんと成長している証
進級・進学の前に揺れる気持ちは、決してマイナスではありません。
それは、
「次のステージに進もうとしている」
「新しい自分になろうとしている」
という、成長の途中だからこそ起きる自然な変化です。
少し甘えたり、少し不安定になったり。
そんな姿も含めて、子どもは前に進んでいます。
この時期だけの小さな心の揺れを、親子で一緒に乗り越えていけたらいいですね。
あり先生
